飛べるよ

今回、ご紹介する絵は

私にとって、またひとつ

新しい扉を開く挑戦となりました

 

 

というのも、

今まで絵をオーダーして下さった

お客様は少なからず、

私の創作スタイルや

『絵師ごと屋』 について

ご存知の方が多かったからです

 

 

今回のお客様は、

私のリアルな職場の同僚です

 

 

私が

「絵を描く仕事をしている」 と聞いて

興味を持って下さり、

インスタの作品集をお見せしたら

 

「ずっと、自分の好きな世界を

 誰かに描いて欲しいと思ってたの・・・

 まさか、絵を描く人と

 ご縁が繋がるなんて」

 

と、とても喜んで下さり

その場でお二人も!

オーダーして下さったのでした

 

 

私自身、

こんな風に自然な流れで

職場の方から

絵のオーダーをいただける、なんて

思ってもいなかったので

本当に嬉しかったです

 

 

今回のお客様は、

描いて欲しい明確なテーマを

お持ちのようでしたが、

私には少しだけ懸念がありました

 

 

彼女は、いわゆる

『スピリチュアル』 というものに

特別な興味はなく、

地上にしっかりと両足をつけて

現実的に日々を生きている、

私と同じ主婦の方です

 

 

そんな彼女の

心の中のビジョンを

どんな風に引き出したらいいだろう

 

どんな風に

心を飛ばしてもらったらいいだろう

 

いつものヒアリングのやり方で

いいのだろうか・・・

 

 

考えた末、対面でのヒアリングを

ご希望だったこともあり、

会話の流れから誘導して

ビジョンを受け取ってみることにしました

 

 

ご希望のテーマは

お客様が昔から大好きだという

『ペンギン』 をモチーフとした絵

 

 

いざ、ヒアリングに入ると

彼女には2つのビジョンが

見えているようでした

 

 

最初は、

ご自身の心に浮かぶイメージを

どんな風に伝えたらいいのか

戸惑われているご様子でしたが・・・

 

 

「今、このテーブルは

 現実の空間とは

 切り離されてると思ってね

 

 心を飛ばして、

 もっと

 自由に飛ばしてみて

 

 

そんな風に、誘導してゆくと

彼女の心の奥に在る

2つのビジョンが

やがてゆっくりと

鮮やかに現れて来ました

 

 

ひとつめのビジョンは

満月の光に照らされる森の中、

手をつないで見上げる

2頭のペンギンの後ろ姿

(現在/癒しのフィーリング)

 

 

ふたつめのビジョンは

大きな画面いっぱいに膨らんだ

金色の満月の光に向かって

手を繋いで飛んでゆく、

2頭のペンギンの後ろ姿

(未来/来世へのフィーリング)

 

 

 

人の心の中のビジョン、というのは

本当に不思議です

 

どんな人の心の中にも

その人だけの風景があり、

その人だけの世界がある

 

 

今まで、

何枚も

何十枚も

 

誰かの心の中の風景を

絵、というツールで視覚化する

絵師ごと、を続けて来ましたが

今回はそのことを

より強く感じました

 

その尊さも、より強く

 

 

 

2つのビジョンの間で、

なかなか決めきれずに

悩んでいた彼女ですが、

今のご自身の心、が選んだのは

こちらのビジョンでした

 

 

 

 

オーダー作品

 

A4サイズ 色鉛筆画

 

タイトル 【飛べるよ】

下絵を描いている時に

ペンギンたちの遠近に

少し違和感を感じました

 

でも、

「立ち位置としてはこれでいい」

という、謎の確信があります

 

どういうことだろう・・・

 

 

しばらく絵を見つめていると、

ハッと、光のように閃きました

 

 

ペンギンたちは、満月の魔法で

少しだけ宙に浮かんでいるんだ!

 

(その設定の構図だったから、

 地上に足がついているイメージで視ると

 遠近がおかしくなっていた)

 

 

この絵は、まさにこれから

彼女のふたつめのビジョン

(満月/未来) へと向かって

ペンギンたちが

飛び立つシーンだったのです

 

 

その真実に気が付いたら、

迷うことなく

ぐんぐん筆が進んでいきました

 

 

いつの間にか、 森の木々が

大きな翼のように

彼らを抱擁していました

 

 

 

そして、今日

無事に彼女へ

作品をお手渡しすることができました

 

 

アートが大好き、という旦那様も

絵をとても気に入って下さったようで

本当に嬉しいです

 

 

この作品が、

彼女のかけがえのない毎日の

優しい癒しとなりますように